はじめての方へ

【三浦紘樹起業物語】第 2 章 目標を見失った先に。

成功を志した瞬間に、志の核を失う。

そんな極めてレアで絶望的なケースに遭遇した私。
人は目標を見失うと、停滞か?暴走か?この2つの道が待っています。

ええ、あなたのご期待通りです。私は暴走します。

心にぽっかりと穴が開いた状態。

当時の状況を説明するのに、これ以上、的確な表現が見つかりません。

仕事にも身が入らず、気付けば無感情の涙が出てくる。
そんな日々を2〜3ヶ月過ごした私に、1つのスイッチが入ります。

『 見返してやる! 』

ただただ、その気持ちが私の心を揺るがしました。

冷静さ? ある訳ないじゃん! そんなの。

そこにあるのは、方向性を見失った復讐心か?

成功したら彼女は帰ってくるかも? という淡い淡い期待か?

まあ、どちらにせよ、ピュアな動機ではありません。

実家に住んでいましたし、お給料も多くはないですが、
生活には困らない環境がそこにはありました。

ですが、一度、ビジネス野心に火が付いた私の気持ちは、
もはや誰にも止める事が出来なくなっていました。

金持ち父さん貧乏父さんに感化された私は、不動産投資のセミナーにも参加し、
情報を収集する事から始めました。
ですが、知れば知るほどリスクの高いモデルである事が解ってくるのです。

初期費用も必要です。それも不動産ですから安い金額ではありません。
私の勤め先では、銀行から融資を受ける事も難しいでしょうし、
そもそも借金で始める事も難しい・・・空室のリスクやトラブルの種は、
そこかしこに存在している。

これは最初に取り掛かるビジネスではない。
そう考えていた私の前に、こんなキャッチコピーが横切ります。

「 パソコン1台で起業が出来る時代。」

ネットオークション? アフィリエイト? メルマガ?

ほう、そんな方法があるのか!?
なんだ!成功する方法はたくさんあるじゃないか!

なんの疑いもなく、1つ目の情報商材を購入。

やってみる。 ・・・上手く行かない。

っていうか、書いてある事が解らない。全然理解出来ない。

これまでビジネスのビの字も学んでこなかった私には、
理解出来る箇所が少なすぎたのです。

ヤフオクだ! 商品を仕入れるぞ!

売れない。

だって、感覚で商品選んだから。

アフィリエイトだ! サイトを作るぞ!

作れない。

だって、やった事がないもの。
そもそも、パソコンだって詳しくないもの。
html? タグ? なんだ?それ。

そんな状況からのスタートです。
サイトが作成出来るようになっても、商品を売る文章なんて書けません。

大袈裟な話ではなく、両手人差し指がメインで動くタイピング技術しか
持ち合わせていなかった私ですから。

でも、私の暴走は止まりません。

ブログだ! ブロガーになるぞ!

書けない。

ちょっと前に絶望を味わった私が、
人を楽しませるような事なんぞ書ける訳がありません。

メルマガだ! 読者を集めるぞ!!

書けない。

ブログの理由とほぼ同じ。

気付けば、ただ闇雲に情報商材を買い漁る、
ノウハウコレクターという存在になっている私がそこにはいました。

この時点で20万円以上のお金を無駄に浪費したと思います。

ですが、私の暴走はまだまだ止まりません。

1人でやるからダメなんだ。誰かに教えてもらおう!

そう思いついた私は、関東で主催されていた
とあるビジネスコミュニティに入会します。

入会金 50 万円。

私は自己投資と割り切って、この金額を貯金から捻出しました。
月に1回、多い時で2回。関東へ夜行バスに乗って遠征する日々が始まります。

貯金がどんどん減っていく。やればやるほど、お金が無くなっていく。
愛知からの交通費は決して安くはありませんでした。
移動費・宿泊費などで、私のお財布事情はどんどん悪くなっていく。

お金が欲しくて始めた事なのに、
気付けば、私の生活は苦しくなるばかりでした。

それと同時に、ビジネスコミュニティで味わった劣等感。

周りの人達の知識と勢いについて行けず、
セッションの場では、いつも愛想笑いをしていました。

愛想笑いをしに、夜行バスに乗る。

そんな日々を繰り返した私は、心身共に疲れ果て、
ビジネスでの成功を諦めようとしていました。

ちょうど、そんなタイミングで、
ビジネスコミュニティの主催者のメンターと呼ばれる方が、
この中のメンバーから、数名だけ個人コンサルティングをする。

そんな話が飛び込んできました。

主催者のメンター ・・・ このコミュニティのリーダーの師匠。

きっと、とんでもない稼ぎ方を知っているに違いない!

グループセッションの際、何度も顔を合わせた事がありましたが、
何とも言えない凄味をもった雲の上の存在の人。

大きなビジネスを幾つも抱え、超有名企業とのパイプもある人。
愛想笑いをしながら、「スゴイ人だなぁ・・・」と思っていました。

そんな人から、直々に教えを乞うチャンス。

契約期間 1 年 契約金 200 万円

貯金が完全に無くなる金額です。
正直、手が震えたのを、今でも覚えています。

暴走の延長線上で、コミュニティ内での劣等感、もちろん結果はゼロ。
そんな環境に極限まで追い込まれた私は、
気付けば誰よりも先に手を挙げていました。

「 お前、大丈夫か?」

強引なニコニコ顔で手を挙げた私に、
メンターさんはちょっと困った顔でそう言いました。

しかし、私はもう引くに引けなくなっていました。

「 だ、大丈夫です!ぜ、絶対にやり切ります。 」

青ざめながら答える私がそこには居た事でしょう。

誰よりも先に手を挙げた。

ここをメンターさんに全員の前で評価され、
私は、マンツーマンの個人コンサル契約を交わしました。

考えてみれば、この「挙手」という行動が、
このコミュニティで初めて褒められた事だった。

第 2 章 教訓

成功に勢いは絶対に必要です。
ですが、勢いと自分の意思のバランスはしっかりと保ちましょう。

目標を見失う。この先、あなたにもそんな経験があるかもしれません。
その時は、もう一度冷静に自分と向き合う事をお勧めします。

読みたかった本を読んでみる。観たかった映画を観てみる。
行きたかった場所に行ってみる。逢いたかった人に逢いに行ってみる。
その中で、「やりたいと思える事」「成りたいと思える者」
そういう出会いを模索する事をお勧めします。

自分は何の為に行動するべきなのか?
まずは、ここに気付き、やりたい!という意志を持つ事から始めましょう。

第3章につづく